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エクスカーション
「簡潔さは究極の洗練である」とレオナルド・ダ・ヴィンチは語っていました。ルーブル美術館を訪れる折にこのイタリア人画家の大傑作モナリザを見ないわけにはいかない事実がそれを物語っています。1503年から1506年の間に完成したこの作品は、おそらくフィレンツェのモナリザ・デル・ジョコンドがモデルになったものとされています。1518年にフランソワ1世が購入し、当時の画家たちの賞賛を浴びましたが、ロマン主義の時代になり、モナリザの謎がアーティストらを熱狂したところからその伝説が広がりました。
20世紀に、特に1911年の盗難事件(絵は2年間ベッドの下に隠れてしまいギヨーム・アポリネールが冤罪のかどで投獄された)をはじめとする幾つかの「冒険」により、モナリザは国際的な名声を得ることになります。非常に薄く(12mm)質素なポプラの木版に画かれたモナリザは、今日世界で最も有名な絵画です。
その瞳はどこから眺めても見るものを追っているかのようであり、目をじっと見ていると僅かにぼかした口元に嬉しそうな表情が感じられるのに、口を見ると微笑が消えてしまっている ― モナリザの象徴的な微笑みと眼差しは問いかけてやまない謎です。多くの画家は、モナリザこそが肖像画における完璧さを極めたものと主張します。なるほど、グラッシ(透明に近い絵具の層)を用いて線も輪郭も描かずスフマート画法によって画いた、レオナルドのまぶしいほどの絵画技術は、魂の美しさが肉体と自然の美しさににじみ出るプラトン主義の追求の頂点をイメージしていると言えます。
ParisCityVision.com ではミニバスでのパリ・クラシック(ホテル送迎)またはルーブル美術館音声ガイド付き見学(優先入場付き)など、数々のツアーでモナリザ鑑賞が可能です。